人に人を紹介するリスクの話
だれかに対して、誰か知っている人を「紹介」することは、結構経験ある人もいますよね?
例えば、学生時代に友人に対して、その友人と同じ趣味を持つようなほかの友人を紹介したり、恋愛目的で異性の友人を紹介したり。
こうした仲介をすると、紹介した双方から頼られるため、案外いい気になってしまったりするものです。
でも、案外リスクがあります。
それも、ビジネス上のことだと結構ダメージがデカいです。
私が以前、人を紹介したときの話です。
学生時代に知り合って、10年以上の付き合いがある友人がサラリーマンとして在職しながら、仲間と会社を立ち上げてバタバタしていました。
そんな友人の副業的な会社もだんだんと売り上げが伸びていき、
「新しく社員を雇用したので助成金の説明を受けたい、誰か社会保険労務士を紹介してほしい」
と私に頼んできたのです。
昔から知っている友人だったのと、学生時代は他の友人を紹介してもなんら問題がなかったので、快くこれを承知して、私の知り合いで社会保険労務士法人を経営している先生を紹介してあげました。
ところが。。。
しばらく経つと、社会保険労務士の先生から、私にちょくちょく電話がかかってくるようになりました。
内容はというと
「彼が遅い時間にアポを取ってきたので、社員を待機させていたところ、サラリーマンの仕事のほうが残業になったからという理由でキャンセルされた」
「やっと次のアポの時間に現れて、説明したら、ボッタクリだと言いだして話が一向に進まなくて困っている」
等々、私もその話を聞いているだけで「は?」と思いましたが、一方の意見だけでは公平な意見が言えないので、友人にも話を聞いてみました。
すると
「俺はサラリーマンだからアポの時間帯が遅くなるのは当然だ」
「俺はお客様なんだから、こちらの都合でキャンセルしてもなんらおかしくはない」
「ネットで調べたら、もっと安いところがいくつもあった」
うーん、、、
「長年の付き合いがある友人だから、ビジネス上でも信頼できる」
というのは完全に間違った認識でした。
(もちろん、友人としてもビジネス上でも信頼できる人はいます)
その後私は、社会保険労務士の先生に謝罪をすると、
「いつもはああいう客はこちらからお断りするんだけど、ひろさんの紹介だから我慢して対応した」
と、信頼関係が逆に悪い方向へと進んでいました。
この事件がきっかけで、社会保険労務士の先生とはなんとか関係を修復できましたが、学生時代からの友人と縁が切れました。
その結果、
「信頼は作るのに時間がかかるが、失うのは一瞬である」
という教訓を得ました。
また、後日知ったのは、友人は会社を立ち上げて「俺は経営者」と色んなところでアピールしたかっただけで、実際はその友人の仲間が主体となって運営しており、友人は幽霊部員のようなポジションだったようです。
こうしたビジネス上のことに限らず、男女の仲介なんかをしても、紹介した男、もしくは女がとんでもない浮気癖があったとか、気の合いそうな友人同士を紹介したら水が合わなくて揉め始めたとか、結局そうした「うまくいかなかった紹介」は、自分自身が巻き込まれるリスクがあります。
「紹介したあとのことは当事者同士の問題ですよ」
とあらかじめ伝えても、個人的にあまり効果がないと実感しています。
まとめると、「紹介」することについて次のことが挙げられます。
・紹介した当事者同士がうまくいかなかった場合、こちらも信頼を失う可能性がある
・紹介によってその人の「本性」が見えることがある
・ビジネスにおける紹介の失敗は大ごとになる可能性がある
・「紹介」する場合は、友人は友人、男女は男女、ビジネスはビジネスでそれぞれ信頼できる人同士を繋げること
・紹介が繋がってうまくいった場合は、逆に自分の信頼度も上がっていくこと
これらの教訓をもとに、本当にその人を紹介して良いのかどうかを見極めるとともに、
自己満足のために紹介を繋げるのではなく、本当に「当事者同士にとってその紹介をして良い結果をもたらすのか」で判断していくのがベストです。
あらためて「信頼は超重要」ってことが分かりますよね。
私も今は友人や異性間、ビジネスでは完全に切り離して、本当にその分野で信頼できる人かどうかを見極めて紹介を繋げているようにしています。
その結果、とても円滑に紹介を繋げることができています。
どうしてもこの友人は昔からの仲だし信頼関係出来ているから、仕事上でも問題ないだろう。と考えがちですが、ぜひそこは切り離して考えてほしいです。